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2013年9月12日 (木)

モノラル

今日、やっとこさですが、宮崎駿監督の「風立ちぬ」を見てきました。

前情報的に「音声を全部モノでやった。ドルビーサラウンドのモノラル」っていうのはテレビだかなんだかで見ていたので知っていたのですが、その言葉の真意が実際に劇場で見てハッキリした。
サラウンドって、フロントに二本、リアに二本、(共に左右のLR)とさらに、フロントセンター(通常の2chだと左右ともに50%づつにしたものをセンター扱いにするため、センターは擬似的になってしまうものを補完する意味でここに置く)とサブウーハー(低音用、低域においては明確な指向性を人間の耳では捕らえづらいのもあり、1chで済ませるのだが通常のサイズのスピーカーでは鳴らしづらいため、よりデカイ経口のスピーカーを低域用に一つ置く)の所謂5.1chが基本だと思うのですが、ここで疑問に思っていた、サラウンドシステムのある劇場でモノラルをどう鳴らすのか?

実は個人的にも、ここ数年、ずっとモノラルミックスというものに関心が寄っていて、都合さえ合えば自分の手がけるミックスは全部モノラルにしたいぐらい、モノラルに対する信望が高いのですが、中々どうしてそれを実現するのは難しいんですが(モノラルの良さを説明したところでわかってくれるアーティストはマジで少ない…というか皆無 笑)、唯一偶然の産物の邂逅という曲、あとは数年前のmarchでおまけというか裏テイク的な意味で作った、この2例のみモノラルミックスをしてます。この、marchのミックスの時にモノラルミックスの難しさ、そして利点なんかがよりハッキリして、その数年後に、邂逅という曲にであった時に「これはモノラルだ!」と再度モノラルに出会った感じなのですが、ミックスをモノラルにしている時に常に感じていた疑問。それが「現代ではLRに二本置いたスピーカー二つで聴くのが普通の時代に、センター一発で聴くモノラルが正しいモノラルなのか?」

上記で述べたように、LR50%づつに振り分けた音って、厳密には真ん中でなってる訳ではない訳だからこれは正確にはモノラルとは呼べないのではないか?

いやいやスピーカー二つが基本なんだしいいんじゃないの?と若い人たちは思うでしょうが、昔のオーディオシステム(と呼ぶには語弊があるくらいの、今からするとお粗末なもの)では、スピーカー1つなんて当たり前だったし、ビートルズのモノラルミックスは、わざわざスピーカー一つにしてミックスしていたらしい。(当時の一般人が持ってるオーディオシステムにスピーカーにステレオのものなんて珍しかったので、そうしていたらしい。ちなみにステレオのミックスは今のサラウンドシステムを一般人が持っていないだろうというのと同じ感覚であったためか、メンバーが立会いのミックスすら珍しかったという。…サラウンドミックスを今の人達が適当にやってるわけではないでしょうが)

話が脱線しましたが、このスピーカー二本のモノラルにずっと疑問を抱いていたので、宮崎監督がどうするのか?興味津々でしたが、その答えが「センター一本しか使わない」でした。ひょっとしたらサブウーハーすら鳴らしてないんでは?と思わせるぐらい中域に寄ったサウンドでした。本編前の予告編が盛大にLRバリバリのステレオサウンドだっただけに、いきなり音がセンターに寄ってきたんで明確にわかりましたね。
監督曰く「ステレオバリバリの、マイクを何十本も立てて左右に音が飛び交う、なんて音は、映画の中で描いている時代においては逆にリアルな音ではない。あの時代に工夫して、試行錯誤して、そして出てきた音が、この時代にとってのリアルな音」確かこのようなことを言ってたと思いますが、その答えがセンタースピーカーしか使わない音。
しかもこれは通常二本の配分で擬似的に出てくるセンターでなく、サウンドシステムにしかあり得ないセンタースピーカーを使ってのモノラル。現代技術というか、現代的手法を逆手にとった潔い、正しいやり方。

…これは音楽で再現は難しい。一家に一台サラウンド…がなければできないし、昨今音楽はヘッドフォン、イアフォンで聴かれることの方が多いのでなおさら。本当の意味でのモノラルは難しい。
なぜモノラルにそこまでこだわるのか?モノラルの良さって何よ?ということについては、またの機会に譲ろうと思います。
(あまりに長文になったんで)

が、サラウンドシステムを逆手にとる、というのはヒントです。
情報が多すぎてどれを選択すべきかが明確になりづらい、そういう時代にはモノラルは最適だと思います。

ではまた次回!

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